大事故や感染症などの災害が発生した場合、マスメディアは非難攻撃の対象を発見し、追及する。ある対象(スケープゴート)を攻撃する記事数は時間とともに変化し、対象自体が次々と変遷する。本研究ではそのような現象を説明するために、非難対象と量の時系列的変遷を説明する波紋モデルを構成した。JR福知山線脱線事故、0157やSARSなどの感染症、口蹄疫などに関する新聞や週刊誌の記事分析をした結果、非難対象が個人→集団→システム→国家→社会へと変遷する傾向があることが確認された。またこの現象には頻度知覚や記憶のバイアスもかかわっていることが実験によって見いだされた。
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