研究課題/領域番号 |
19530565
|
研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
片山 美由紀 東洋大学, 社会学部, 准教授 (50265229)
|
研究分担者 |
安藤 清志 東洋大学, 社会学部, 教授 (50125978)
泊 真児 大妻女子大学, 人間関係学部, 講師 (50323233)
|
キーワード | 制限環境 / 自己 / 適応 / 余暇活動 / 文化 |
研究概要 |
本研究の本年度の目的は、実態的問題の整理、研究概念の精緻化及び測定変数(社会心理学領域で特徴的な、厳密な測定方法)について意見を交換し、共有すること、また、研究構想で準備した変数群で変数群は充分か、付加すべき変数はないかの検討を行うことであった。 問題の整理、研究概念の精緻化及び測定変数(社会心理学領域で特徴的な、厳密な測定方法)についての意見交換が活発に行われ、各分担の文献レビューの情報交換、および各人が独自に所属する学会における研究動向、実態動向に関する情報交換が行われた。 (A)従前の自己→(B)状況の変化・喪失的経験→(C)適応困難→(D)変化の契機→(E)適応的志向の対処行動 →(1)自己(ストーリー)の再構成、 →(2)新たな行動・意識レパートリーの獲得 その過程において上記のような変数群の適否について検討を行ったところ、(A)従前の自己、から(E)適応的志向の対処行動、まで、準備された変数群自体は研究構想時点のもので適切であったことが考察された。 ただし人々の「主観的制限環境」を規定する現実的な2つの要因、すなわち法制度および社会風土について事例の検討を行うことにより、日本文化の特徴を研究の視点として取り入れることの必要性が指摘された。さらに分析の過程において、日本文化の特徴が上記(A)〜(E)の各過程に少なからぬ影響を及ぼしていることが考察された。例えば適応的志向の対処行動について、自らの所属する法制度および社会風土のなかで見聞しうるレパートリーを超えたものは選択され難いことが考察された。
|