研究課題/領域番号 |
19530565
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
片山 美由紀 東洋大学, 社会学部, 准教授 (50265229)
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研究分担者 |
安藤 清志 東洋大学, 社会学部, 教授 (50125978)
泊 真児 大妻女子大学, 人間関係学部, 准教授 (50323233)
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キーワード | 余暇活動 / ワークライフバランス / 少子化 / 適応 / 心理学 / 料理 / 育児 / 自由時間 |
研究概要 |
本年度の目的の第1は、調査の準備をすすめるにあたり最終的な資料収集を行うこと、第2は昨年度迄に引き続き、研究構想段階で準備した変数群に不足がないか、またそれぞれの変数内の構造がどのようであるかを検討することであった。これらに従い、本年度は調査を行った。具体的には以下のような成果があった。 1)調査手法の検討:日本全国のサンプリング調査(留置調査)のオムニバス形式の採用、郵送調査、インターネット調査の各方法を比較検討し、それぞれの長所・短所を踏まえた上で、インターネットを利用した国際比較調査を行うこととした。2)質問項目、3)選択肢については、3年間の研究のなかで予備調査を行い、必要な調査領域の確定と補充、そして国際比較にも耐えうる選択肢の形成が慎重に行われた。 また3年間の研究のなかで、人が制限環境を経験して適応困難を生じる場合に、その変化の契機として、本人自身の内的な変容があるとともに、本人をとりまく周囲の人々の行動-圧迫を取り除くような配慮的行動また育児協力・料理・家事などの協力的行動-が本人に、日常可能な行動範囲そして意識範囲の制限解除とともに適応的変化を生じさせうること、それが重要な変化であることが明らかになった。そのためこの変数も調査設計に加えられた。男女ともに、ワークライフバランスの見直しが、事態全体の改善につながることが示唆された。またこのことが少子化問題の解決に寄与することも示唆された。 4)調査折衝、5)実査、を綿密に行い、日本・イタリア・韓国-少子化の進む代表的な国々-の質の高いデータを収集することができた。本年度の研究計画時点で、6)データ集計、7)分析は一部のみ着手であることが想定されていたが、余暇活動データの分析より、想定されていた変数構造が調査データにおいて得られたことが、本年度中に確認できた。
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