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2008 年度 実績報告書

高機能自閉症児における情動表出と情動理解の障害と発達

研究課題

研究課題/領域番号 19530588
研究機関岐阜大学

研究代表者

別府 哲  岐阜大学, 教育学部, 准教授 (20209208)

キーワード高機能自閉症 / 情動理解 / 自己情動表出
研究概要

まず、高機能自閉症児を含め、自閉症児者の情動理解における国内外の先行研究のレビューを行った。それにより、自閉症児の情動理解を検討する際に、2種類の情動理解を取り上げる必要性が指摘された。1つは、写真やビデオ、物語などを材料とした登場人物の情動理解で示される、意識レベルでの情動理解である。2つはそれに対し、表情写真の閥下提示による感情プライミングや、表情を見た際の自動模倣(mimicking)といった、意識下レベルでの情動理解である。自閉症児は、前者(意識レベルでの情動理解)については、定型発達より高い言語能力を有する場合は理解可能であることが示唆された。これは、言語能力によって定型発達とは異なる補償的方略を用いて行っていることが推察されるものであった。これに対し、後者(意識下レベルでの情動認知)においては、高い言語能力を持つ自閉症児においても困難を示すことが示された。これより、自閉症児においては意識下レベルでの情動理解が本質的な障害であること、しかし補償的方略によって可能となる意識レベルでの情動理解を支援することで、情動理解をすすめることは可能であることが考えられた。
このレビューが惹起した2つの課題をあわせて検討した。1つは、意識下レベルでの情動に対する反応は、発達的に早期の段階から存在するのではないかということである。2つは、他者の情動理解と比較して意識的コントロールが及びにくい自己の情動表出と理解には、意識下レベルでの反応の特異性があらわれやすいということである。前者について縦断的にビデオ記録を行った自閉症児のビデオを分析可能なデータとして収集した。後者については、就学前の高機能自閉症児は非高機能自閉症児と比較して予備的調査を行い、自己表情理解の正答が有意に少ないことを明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 学童期における高機能自閉症児の自他理解の発達と障害一高機能自閉症及びアスヘルガ-症候児の発達特徴をめぐる研究動向-2008

    • 著者名/発表者名
      別府哲
    • 雑誌名

      オープンリサーチセンター整備ii事業「臨床人問科学の構築」ヒューマンサービスリサーチ11「高機能自閉症児およびアスベルガー症候群児の学童期の発達特徴と教育的支援」(立命館大学人問科学研究所) 1

      ページ: 3-22

  • [学会発表] 自閉症幼児のアタッチメント対象形成における他者の心の理解と行動・情動調整2009

    • 著者名/発表者名
      別府哲
    • 学会等名
      日本発達心理学会第20回大会
    • 発表場所
      日本女子大学
    • 年月日
      2009-03-24

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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