研究課題/領域番号 |
19530593
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
須田 治 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (50132098)
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研究分担者 |
本郷 一夫 東北大学, 教育学研究科, 教授 (30173652)
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キーワード | 発達臨床的支援 / アスペルガー障害 / 不安への対処 / 気になる子の発達 / 保育支援 / 発達特徴 / 発達のアンバランス / 行動調整 |
研究概要 |
須田は、アスペルガー障害の青年に対する対応のために、実験的に事例支援を行ってきた。その結果、呼吸法、アロマケアなどの脱感作手法が、主観的不安の軽減や、緊張感の緩和をもたらし、学習された主観的苦痛(SUD)をも軽減することを明らかにした。だが尖指脈波、手のひら温度など生理的指標には、安定した結果は得られていない。今後はそれらの指標をバイオフィードバックとして用い、さらなる支援方法の検討を進めることにする。いっぽう児童期のであって、過緊張と、他者との平穏柔軟なコミュニケーションのできない同じ障害の2事例には、仮に「お芝居療法」という台本をもちいた支援を試みて成果を得ている。その結果として、応答的な視線、動作の共鳴的な応答、全般の柔軟性などが生まれている。さらに検討を進めることにより、実行機能支援、予期不安の低減、感情的な自己感がもたらす情動調整効果などにっいて明らかにしていくことにする。 本郷は、知的な面では顕著な遅れがないものの、「対人的トラブルが多い」「落ち着きがない」 「順応性が低い」といった特徴をもつ、いわゆる「気になる」幼児期を対象として、その発達の特徴を分析した。32名の「気になる」幼児を対象として、KIDSスケールを用い、子どもの暦年齢とKIDSスケールの標準年齢との差を算出したところ、言語、概念といったいわゆる知的側面での遅れは少なく、社会性(成人)の領域における遅れが最も大きいことが分かった。また、運動領域においては、「20メートルの全力疾走」などの項目における遅れは見られないものの、「ボールのドリブル」など運動調整を伴う領域では遅れが大きく、領域内でのバラツキが見られた。
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