研究課題/領域番号 |
19530596
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研究機関 | 文京学院大学 |
研究代表者 |
上村 佳世子 文京学院大学, 人間学部, 教授 (70213395)
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研究分担者 |
柿沼 美紀 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 教授 (00328882)
東 洋 東京大学, 教育学部, 名誉教授 (60012548)
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キーワード | 語り / 文化 / 母子 / 地域比較 / 心の理論 / 育児期待 |
研究概要 |
本研究では、母子の語りを共同でおこなうひとつの文化的学習場面ととらえ、そこであつかわれる情報や語りのスタイルの地域差と、母親の育児観、自己観および子どもの認知(心の理論、他者の情動理解)との関係を明らかにすることを目的とした。4歳および6歳の子どもとその母親を対象として、山口および東京で調査をおこない資料を収集した。その結果、東京の子どもと比較すると山口の子どもは心の理論の成立がやや遅く、理由を述べられない子が多かったが、他者の情動理解の結果には差異が示されなかった。母親の育児期待については、山口では子どもの生活における独立と認知面に焦点が当てられるのに対して、東京ではコミュニケーションに注目されるほかは個人差が大きかった。さらに、母子の語りにはやはり地域差が示され、東京の母親が多様な選択肢を提供してそこから子どもに判断させ、さらにその選択理由を確認するという形式をとるほか、他者への基本的信頼と不信が隣合う内容の語りを提示したのに対して、山口の母子は登場人物の情動に触れる頻度が高い一方で、トラブルの原因を明確にせずに解決の方法を模索しようと試みるという特徴が示された。この山国の母子の語りの傾向は、山形の母子の特徴と類似しており、地域生活のなかでの人の移動性と対人距離とも大きくかかわるものと考えられる。
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