研究課題/領域番号 |
19530597
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
柴橋 祐子 千葉工業大学, 情報科学部, 准教授 (20348155)
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研究分担者 |
中原 美恵 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (30337703)
槇 英子 淑徳大学, 総合福祉学部, 講師 (20413099)
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キーワード | アサーション / 保育者支援 / 自主的事例検討会 / 継続的グループインタビュー / 保育者版アサーション質問紙 / 保育者の意欲・やりがい |
研究概要 |
平成20年度(研究プロジェクトの2年目)の研究目的は2つあり、1つは前年度末に実施した保育者のアサーションに関する質問紙調査を分析し、結果を発表することであった。2つめは、前年度より開催している「保育を語る会」を継続し、より深い語りを通して保育者がどのような自己表現の問題を感じているのかを何人かに焦点を当てて分析することであった。この2つの目的に関する実績は以下の通りである。まず、1つめの目的は達せられ、平成21年3月の発達心理学会第20回大会において「幼稚園教師の自己表現(アサーション)と意欲やりがいとの関連」としてその成果を発表し、意見交換を行うことができた。この調査では、保育者の自己表現(アサーション)尺度を相手別に作成し、保育者の意欲・やりがいとの関連を職務や経験年数の要因を加えて共分散分析により検討した。全体を通して保育者相互の意見交換や援助依頼ができるような園風土の重要性が示唆された。また、職務別に見ると担任は困っていること、つらい気持ちが言えること、主任や管理職では保護者との関係における自己表現の重要性が示唆された。一方、補助教員は全体的に自己表現があまり行われず、孤立した様子がうかがわれた。保育者の意欲に自己表現(アサーション)が深く関わっていることが示され、職務や経験年数によってとりわけ重要な自己表現の内容を明らかにすることができた。 2つ目については、今年度も5回にわたる自主的事例検討会を通して、現場のリアルタイムな話題が積極的に提供され、話し合うことができたが、インタビュー記録の分析はまだ十分ではなく、次年度の課題として残された。
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