研究課題/領域番号 |
19530609
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研究機関 | 郡山女子大学短期大学部 |
研究代表者 |
田村 修一 郡山女子大学短期大学部, 准教授 (00442020)
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研究分担者 |
水野 治久 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (80282937)
石隈 利紀 筑波大学, 人間総合科学研究科, 教授 (50232278)
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キーワード | 被援助志向性 / 教職志望 / 大学生 / メンタルヘルス / 協働 / 教育実習 / 不安 / 適応 |
研究概要 |
様々な課題を抱える教育現場で働く教師に求められる大切な資質として、「自己の健全なメンタルヘルスを維持する能力」と「教師の協働を促進できる能力」は重要である。近い将来、団塊の世代が大量退職し、若い教師達が急増する。その時、自己の「健全なメンタルヘルス」の維持や「教師の協働」を促進できる能力はベテラン教師だけではなく、若い教師にも必要な資質・能力である。そこで、これらの資質・能力に大きな影響を与える可能性のある「被援助志向性」を教員養成の段階から高めるための「介入プログラム」の開発と効果測定の研究を企画した。 そこで初年度は、教職志望の大学生の「被援助志向性」に関する基礎的知見を得るために調査研究((1)質問紙・(2)グループ・インタビュー)を行った。5月末、教育実習を間近に控えた教職課程(幼稚園教諭志望)履修の短大2年生(約160名)を対象に「特性被援助志向性尺度(田村・石隈,2006)」と「教育実習に対する不安尺度(本研究で作成)」を用いて質問紙調査を実施した。その結果、「被援助(他者に援助を求めること)に対する懸念や抵抗感」が高い学生ほど、教育実習における「先生方との関わり不安」や「社会人としての不安」が高いことが分かった。次に12月、(1)教育実習(幼小中高)を経験済みの大学4年生(6名)を対象にグループ・インタビュー調査を実施した。主な質問内容は、「教育実習前の不安」「教育実習時の適応」「教育実習中に指導教諭・管理職に援助を求めた時の状況、及びその時の気持ち」などであった。また、(2)来春に教育実習(小・中)を予定している大学3年生(5名)を対象にグループ・インタビュー調査を実施した。主な質問内容は、「教育実習に対する不安の具体的な内容」「もし、教育実習中に自分で解決できないような問題に遭遇した時の自分の気持ちや行動の予測」などであった。これら2つのグループ・インタビューの結果については、現在、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチの手法を用いて分析中である。
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