研究概要 |
教師バーンアウトの規定要因を明らかにすることが本研究の第一の目的である。そのために,新井(1999)が用いた質問項目に感情労働という観点を加えた質問紙調査を,2007~2009年度にかけて教員養成系大学院に在学する現職教員を対象に実施した。その結果、バーンアウトを引き起こす要因として,「職員間の協働性の欠如」「生徒指導の困難性」「保護者対応の困難性」が析出された。その結果に基づき,教師のためのメンタルサポートを可能にするプログラムを開発することが第二の目的である。そのために,同僚性・協働性を高める校内研修や管理職に対するメンタルヘルス研修を実施した。また,学校外で毎月1回,「悩める教師のためのセルフ・ヘルプ・グループ」を開催した。参加者への質問紙調査やインタビュー調査を行った結果,バーンアウト予防にグループ体験が大きな効果をもつことが明らかになった。
|