研究概要 |
本研究は,地域社会における子どもの心理臨床的問題の発生には,地域社会のさまざまな構造に由来する脆弱性が反映されているとの仮説に基づいている。 かつては濃密な人間関係,豊かな自然環境との交流,伝統文化や行事と緊密に結びついた生活様式などが,地域社会の子どもの「不屈性」の形成に寄与していたとすると,おそらくその同じ構造が変質・変容した結果,今や何らかの形で地域社会の子どもの「脆弱性」形成に寄与したとしても不思議ではない。 具体的にはA「地域物語の構造」,B「地域親子関係構造」,C「地域自己構造」の3つの解析から臨床心理学的地域支援の基盤となるモデルを得ようとするものである。
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