研究概要 |
筆記表現が心身の健康に及はす影響に関する文化・健康心理学的研究を行った.トラワマに関する情動や思考について目由に筆記する(自由筆記)群,認知的再体制化が促進するよう構造化された(構造化)群,統制群が,各種指標について,比較検討された. 実験参加者24名は,構浩化開示群(9名),自由開示鮮(8名),統制群(7名)に配置された.実験は一日20分のセッションが3日間行われた.健康指標に関しては,ストレスホルモンとして知られる唾液中コルチゾールに加えて,外傷後ストレス反応,また,高次認知能力を反映するワーキング・メモリ容量(WMC)が測定された.測定時期は,実験前,実験2週間後,実験1ヶ月後の4回であった.実験の結果,外傷後ストレス反応に関しては,測定時期に有意な主効果が示され,実験前から実験1ヶ月後にかけて得点の低減が示された.構造化開示群では大さな治療効果量が示された.WMCに関しても同様の効果が認められた.唾液中コルチソールについては効果が認められなかった.これらの結果から,構造化開示は,外傷後ストレス反応の低減,高次認知能力の増大に寄与する可能性が示唆された.なお.これらの結果に関しては,国際感情学会(International Society for Research on Emotion),日本行動療法学会において発表された.
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