研究課題/領域番号 |
19530627
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
山下 一夫 鳴門教育大学, 大学院・学校教育研究科, 教授 (70191278)
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研究分担者 |
葛西 真記子 鳴門教育大学, 大学院・学校教育研究科, 教授 (70294733)
中津 郁子 鳴門教育大学, 大学院・学校教育研究科, 准教授 (80420553)
粟飯原 良造 鳴門教育大学, 大学院・学校教育研究科, 准教授 (70420552)
末内 佳代 鳴門教育大学, 大学院・学校教育研究科, 講師 (70403764)
久米 禎子 鳴門教育大学, 大学院・学校教育研究科, 講師 (90388215)
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キーワード | 幼児理解 / 自己省察 / 臨床的視点 / 感受性 / 情動調律 |
研究概要 |
1. 平成21年度の実習 本年度は10名が2ヶ所の保育園で実習を行った。前年度の反省を踏まえて、実習生の人数を減らし実習期間を長くするなど改善した。また、実習生の子ども理解がより進むために、保育士さんとのケースカンファレスを行った。 2. 平成21年度の研究の成果 (1) 各院生個人の内的体験についての聞き取り調査をカテゴリー分析した。その結果、<幼児理解>のカテゴリーに含まれるものが多く見られ、子どもの発達理解や心情理解ができるようになっていた。「個人にとっての実習の意味」としては、<自己省察>のカテゴリーに含まれるものが多く、客観的な視点の獲得や成長・自信になった等の内容であった。「臨床心理士を目指す大学院生にとっての実習の意味」では、実践的経験、クライエント理解、関係性への気づきなど<臨床的視点>のカテゴリーに含まれるものが多かった。また、乳幼児との関わりと心理臨床の関連性を、関与観察を通して研究紀要にまとめた。 (2) 実習の事前事後の質問紙調査を行った。その結果、実習経験者と未経験者で、感受性(対人的感受性,対人関係過敏性,ノンバーバル感受性)の変化について検証したところ、対人的感受性の中の非影響性において特に実習参加者の得点が有意に低くなった。 (3) 保育実習経験者と未経験者の違いを検討するため、大学院生の心理面接のスーパーヴィジョンを行っている教員による質問紙調査を行った。その結果、「情動調律」において、保育実習経験者の平均値は、未経験者より有意に高くなっていたことがわかった。保育実習を経験した者の方が、経験しない者より、心理面接において情動調律をよく行っていた。 これらの成果については、日本心理臨床学会第28回秋季大会にて発表を行った。
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