研究課題/領域番号 |
19530634
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研究機関 | 文化女子大学 |
研究代表者 |
野口 京子 文化女子大学, 現代文化学部, 教授 (30318589)
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研究分担者 |
杉田 秀二郎 文化女子大学, 現代文化学部, 准教授 (70350204)
佐藤 浩信 文化女子大学, 現代文化学部, 准教授 (10235385)
安永 明智 文化女子大学, 現代文化学部, 講師 (30289649)
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キーワード | 運動行動 / 行動変容 / 女子大学生 / 大規模調査研究 / Transtheoretical Model |
研究概要 |
本研究の目的は、女子大学生を対象とした運動行動の習慣化に向けたグループカウンセリングプログラムを開発することである。平成20年度は、カウンセリングプログラム作成のための基礎資料とすべく、全国の女子大学の学生を対象に、運動行動の実態とそれに関連する心理的、社会的、環境的要因の特徴について検討することを目的に研究を推進した。対象者の運動行動の実態は、 Transtheoretical Model (以下TTMと略す)の行動変容ステージを用いて評価した。 TTMは、行動変容を促すための有用な行動科学理論のひとつであり、その中核となる行動変容ステージは、個人の健康行動の実践の状況や行動に対する関心の程度によって前熟考期、熟考期、準備期、実行期、維持期の5つの段階に分けられる。運動行動の関連要因をTTMの行動変容のステージ別に分別することにより、対象者の行動変容の準備状況に応じた適切な身体活動量の増加を目的とした介入方略を立案することが出来るとともに、有効かつ効率的な健康教育を提供する上で役立つものになるだろう。全国約2500名の女子大学生から得られたデータから、以下のことが明らかにされた。1.運動セルフ・エフィカシーや運動ソーシャル・サポートは、運動の動機づけが低い者、運動への動機づけは高いが運動を行っていない、または不定期に実施している者、運動が習慣化している者の順で高い、2.運動の環境の認知や運動の恩恵の認知は、運動の習慣化の有無に関わらず、動機づけ水準の高い者が低い者と比較して良い、 3.運動への負担の認知は、運動への動機づけの水準の高低に関わらず、運動が習慣化していない者は運動習慣者と比較して高い。本成果は、わが国の女子大学生の運動行動とその関連要因を、大規模研究によって検討した数少ない貴重な研究である。
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