研究概要 |
小学校高学年向けの性犯罪防犯教育プログラムを作成するに当たって、次のような方向からの研究を行った。 1,犯人の行動に関する研究 子ども(特に小学校高学年)に対する性犯罪者の行動パターンについての従来の研究を網羅的に収集し、整理した。その結果をもとにして、子ども(主に小学校高学年児を対象)に対する性犯罪の行動のカテゴライゼーションを行った。本研究で示したカテゴリーは以下の通りである。露出犯タイプ、・福祉犯罪勧誘タイプ、・非行タイプ、・強制わいせつタイプ、・ストレンジャーレイプタイプ、・交際相手によるレイプ、・交通機関内での痴漢、・性的虐待タイプなどをあげ、それぞれの行動パターンと対処パターンを明らかにした。本研究では、,主に強制わいせつタイプとストレンジャーレイプタイプを対象にすることにした。ただし当初想定していなかった非行タイプと交際相手によるレイプが数としては相当数みられる可能性があるため、来年度の研究ではこれらのタイプについても取り扱う事が必要であることがわかった。昨年度の研究成果から、コンピューター性犯罪への対処の必要性が浮かんできたが、この問題に関しては上記のカテゴリー化に統合された。この研究成果を元にして、犯人の行動にマッチしたエビデンスベースドな防犯プログラムを作成した。 2,子どもの防犯行動に関する研究 本研究が従来の防犯教育の問題点を是正するという意味を持つため、その前提として現在行われている子どもに対する防犯教育に関する書籍や資料を網羅的に収集し、その傾向をつかんだ。その結果、従来の防犯教育には矛盾した指示や犯人の行動にマッチしていないルールが多数存在することがわかった。この点についての資料を作成した。
|