研究概要 |
本研究では,障がい児、者に対する,生涯にわたる「生活支援」の必要性を考慮し,従来の「動作法」による心理臨床的実践が,保護者と障害のある当事者が地城生活に寝着した形で援助を受けることのできるシステムの構築に手がかりを示唆すると考えた。そのために,日本と韓国の動作法実践による地域ネットワーク形成のプロセスを分析するための資料収集を行う中で,地域援助システムとして成功した事例から,その要因の一つに技法の開発があることに着目した。そもそも動作法が普及される原動力となったのは,心理学的アプローチという理論、技法の斬新さと,肢体不自由に対するそれまでのリハビリテイション方法とは違う有効性が注目されたためである。1960年代から1970年代にかけて全国各地で動作法による地域援助システムが活発に形成,活動を行っていたが,現在では,障がいの多様化,重度重複化に加え,動作法の適用対象が心理的問題を抱える人々へと拡大するに従って,障がい児、者への動作法の適用は従来の理解、実践の域に留まり,各地域が対象や援助者の確保,適用の有効性において行き詰まりを感じることがしばしば見られている。このような現状に対して,「主動型リラクセイションセラピー」という新たな開発された技法の導入が,地域援助システムを活性化し,発展していくきっかけになった日本(岐阜)と韓国(晋州)地域の事例を,2007年リハビリテイション心理学会にて研究発表した。
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