研究概要 |
牧、坂田(2003)の調査によって明らかとなった幼児教育現場でのDeath Educationの必要性を具体化するための実践的研究を行うことで,その某本的課顧を見出すことを目的とした。 本研究は,幼児が死を具体的かつ身近なものとして捉え,自然に受け入れるための体勢づくりを行い,死の概念形成渦程により確かで正しい介入のありガについて検討していくものである。その一手がかりとして,保育現揚で3歳から5歳児を対象に死と生を中心テーマとした絵本を3つのカテゴリーによって選別し,週1回,約5ケ月にわたりその読み聞かせを行った。同時にそのプロセスを認知の測定(生物、無生物識別の根拠,機能停止要因,不可逆性こ普遍性,死後観)を中心に統制群法を用いて分析した。その結果,実験群に概念形成への直接的影響は認められなかったものの,その前後に明確な差が見られたことから,発達過程に介入することの意義が十分に確認された。 また,幼児へのDeath Studyを実践することによる不安、恐怖の誘引にはならないことが各年齢層において明らかとなり,保護者,保育士共々が,本実践へのpositiveな受け入れへと変化したことも,大きな成果として受け止められた。
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