戦後の学習集団づくりによる授業規律形成に関する知見の蓄積と交流に寄与してきた長崎県および高知県における小学校での授業実践に関するフィールドワークをすることで、歴史的な教育方法遺産と今日的な教育実践課題についての基礎資料を収集するとともに、情報交換を行うことができた。とくに、長崎では、8月に行われた伝統的な合宿型の授業研究会に参加することで、教育現揚の生の声を聞くことができたし、3学期に実施した授業研究フィールドワークの打ち合わせを十分に行うことができて、また実施後にビデオ等を活用して研究室で振り返りの研究活動ができ、学習集団づくりの授業研究に固有な視点を明らかにするための基礎資料を作成することができた。 また、高知県での授業研究においては、大阪教育大学の久田教授との連携、長崎県では長崎県立大学の宮原講師らとの連携をすることができ、学習集団研究の視点を拡大することもできた。 そうした研究の発端となる広島県での学習集団づくりによる授業研究については、本年度現地調査を実施した群馬県の島小校長であった斎藤喜博や次年度に現地調査を実施する予定である岩手県杜陵小学校との比較を志向する基礎的研究作業を行い、中国四国教育学会で発表し、今後の研究に向けての示唆を得た。
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