研究概要 |
1960年代の全国授研究協議会(全授研)の潮流の一つである学習集団づくりの組織方法論の一つとして定式化された授業における「発言形式」のあり方について、今日の教育課程改革の言語論的展開の動向の一つでもあり、さらに新しい学習指導要にも示された「言語活動の充実」とも関連するところの「言語技術」のあり方として教室で展開していることと連動させて、言語技術と学習規律の関連を歴史的かつ実践的に検討した。授業規律の問題が、授業のコミュニケーションと関連していることから、「言語技術」の指導が、学習規律の指導に置き換えられやすい実態のあることを調査研究に基づき検証するとともに、授業研究等を通して教科内容習得の点から言語技術や学習規律が形式化しやすい課題をかかえていることを明らかにした。 ドイツでの調査においては,ブエブ(Bueb)の提唱する『規律の賛美』(Lobder Diszilin)をめぐる争点について、ハンブルグでのGudjonsとの面談等を通して基本文献を入手するとともに、「教室の前に立つ教師」という視点から、「一斉授業」(Frontalunterricht)の捉え直しの必要性について検討し、わが国の授業規律の指導評価にとって有効な観点をえるための基礎資料を収集することができた。 授業規律の指導評価表の作成に当たっては、学習集団の発展段階に関する構造表を、わが国の教育実践のなかから、いくつか発掘するとともに、今日的視点から評価を行うさいの観点について検討し、最終年度に向けての基礎資料を収集した。
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