研究課題/領域番号 |
19530702
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
友定 啓子 山口大学, 教育学部, 教授 (20091184)
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研究分担者 |
入江 礼子 共立女子大学, 家政学部, 教授 (50288099)
白石 敏行 山口大学, 教育学部, 准教授 (10259327)
小原 敏郎 共立女子大学, 家政学部, 講師 (30439161)
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キーワード | 幼児 / 人間関係 / トラブル / 保育者 / 自己回復 / 共生 / 解決スキル / 規範 |
研究概要 |
本年度は、幼児のトラブルにかかわった保育記録を、東京地区・山口地区の保育者および学生の協力を得て500事例を収集することが大きな課題であったが、532事例の収集とそのデータベース化に取り組むことができた。また、この記録の約半分について統計的分析を行い、8月に乳幼児保育学会において、分析の理論的枠組みと保育者と学生のかかわりの比較分析結果について報告を行った。 また記録の中から、3-5歳の各年齢の代表的な事例を抽出し、保育者のかかわりを中心にトラブル場面の保育的意義について分析考察し、「トラブル場面で子どもたちは、保育者の援助を受けて(1)自己回復の体験をする、(2)友だちとの共生の体験をする、(3)トラブル解決のスキルを学ぶ、(4)ものの考え方や規範を学ぶという発達に重要な体験をしている」ことを明らかにした。さらに、学生のかかわり方の特徴や課題を明らかにするために、山口地区の学生の統計的分析を行い、子どもの年齢及びトラブルの終結とかかわりとの関連について分析を行い、まとめた。 また、収集した保育記録の中から、実践検討に有意義である事例を各年齢7例計21例を抽出し、それぞれについて記録者へのインタビュー調査を行い、記録周辺の情報を収集した。これに研究者の事例考察とこれまでの全体的研究成果などを加え、A4判50ページの保育事例集「『ごめんね』の向こうに」を作成した。記録作成協力者(約300名)および山口市内の保育者への配布を行った。20年度はさらにこれを保育者の研修会や学生の授業に活用し、授業研究を行う。
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