1.米英型の学校評価理論研究をおこなった。 2.ドイツの学校評価研究とオランダ型学校評価モデルの研究 オランダ型モデルの有効性について、日本での研究は少ない(結城忠「季刊教育法」連載論文等)。そこで、ドイツにおけるオランダ型モデルの分析を中心に整理を行った。ニーダーザクセン州は、オランダ型モデルを参照しつつも、学校評価と学校支援の組織的分離を行っている(2005年の学校法改正)。その後このモデルは他の州にも影響を与えていることが確認できた。とりわけ、ベルリン市(都市州)においては、財政状況が厳しい中で、学校第三者評価を試行していることが判明した。また、バイエルン州においても、学校評価及び教育政策評価を進めていることが明らかになった。バイエルン州は専門家の立場を重視しており、日本への汎用性が高いとの仮説を立てた。 3.ドイツにおける聞き取り調査 オランダ型学校評価の導入を進めている、ベルリン市並びに専門家中心に学校評価システムを構築しているバイエルン州ニュルンベルク市において、学校評価の功罪を中心として、学校等関連機関での聞き取り調査を実施した。 4.日本における学校評価研究 日本でも学校外部評価システムの参画型モデルを試みている品川区の小学校、学校運営協議会で権限を持たせた学校評価を行っている杉並区の中学校、さらには学校独自の質保証システムを開発しつつある学校(上越市立高志小学校)を調査した。評価後の外部支援組織の重要性が明らかになった。
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