1.日本における学校評価の実態調査を行った。新潟県、京都市、秋田県等の事例が参考となった。 2.ドイツにおける学校の質保証に関する実態調査を行った。学校評価後に評価機関が学校に評価内容を丁寧に説明していることが理解できた。ベルリン、ハンブルク、ノルトライン・ヴエストファーレン、ニーダーザクセン、ラインラント・プファルツの5州において、調査を行った。 3.日本における学力を中心とした質保証について、文研研究を行った。学力調査、学校評価、教員評価に関する研究等の関連文献を収集し、その内容を分析・整理した。 4.ドイツ及び欧米における学校の質保証について、文献研究を行った。ドイツでは、各州の学校の第三者評価に関する規程が改訂され、また、実施状況についてまとめるものが増加傾向にある。 5.日本教育経営学会及び日本比較教育学会において成果の一部を発表した。いずれも、ドイツにおける学校の第三者評価について整理し、発表したものである。 6.以上の研究の結果、学校教育質保証のためには、評価により市場からの退場を意図するイギリス型の学校評価よりも、事後支援を丁寧に行うオランダ型学校評価の方が、ドイツでは馴染みやすいことが判明した。日本でもオランダ型の学校評価手法が望ましいと考えられる。ただし、日本では人事異動、とりわけ校長の異動により、成果の継続が困難になりやすい。しかし、一方では、人事異動による学校の活性化が期待でき、人事異動が学校教育質保証に良い影響、悪い影響を与えるとは断定できない。
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