研究概要 |
本研究は「『宗教的情操』概念の歴史と教育実践に関する基礎的研究」をテーマとし,「宗教的情操」という概念の経緯や定義の変遷を歴史的に研究するとともに,現在における教育実践の状況までも対象として基礎的な研究を行うものである。本年度は,1,戦前期を中心にした歴史史料の収集と,2,現在の教育実践報告における「宗教的情」操概念を明示したケースについての資料収集を中心に行った。 1,戦前期を中心にした歴史史料の収集については,国立国会図書館,WCC(World Council of Churches世界教会協議会,その他専門図書館・大学図書館の所蔵資料を調査し,必要な古書等を購入し,内容を分析した。 2,現在の教育実践報告における宗教的情操概念を明示したケースについての資料収集は,東京都,埼玉県,兵庫県の報告書の調査,道徳の副読本・教師用指導書の調査,その他教育実践に関する図書を購入して調査した。 これらの調査プロセスにおいては「宗教的情操」という言葉へ注目したが,とくに「宗教的信念」(戦前期),「畏敬の念」「敬慶」(戦後期)のとの関連の重要性を改めて確認した。研究の中間報告として,本研究メンバー以外も招いて3月15日に武蔵野美術大学新宿サテライトにおいてシンポジウム形式で実施した。研究分担は,研究全体の調整は高橋陽一(研究代表者)が行い,歴史研究は戦前を駒込武(研究分担者),戦後を竹内久顕(研究分担者)が担当し,小川智瑞恵(研究協力者)が協力した。教育実践については,伊東毅(研究分担者)が担当し,田口和人(研究協力者)と小幡啓靖(研究協力者)が協力した。
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