研究概要 |
本研究では,小中一貫教育における4-3-2学年制が児童生徒の学力および態度形成にどのような影響を及ぼすかを明らかにすることが目的である。そのために,本年度は次の3点を中心に研究を進めた。 (1)発達の連続性をふまえた学年制のあり方 小中一貫教育が強調されるようになった一因として,小・中学校の6-3という学年の区切りが,子どもの発達と適合していないということがあげられる。そこで学齢期の発達特性について,資料を収集し分析した。 (2)日本における小中一貫教育の事例研究 日本において小中一貫教育を実施している地域を調べ,そこでの教育について資料を収集した。また,「小中一貫教育サミット」や小中一貫校の研究発表会に出席し,実践事例を調査した。 (3)4-3-2学年制教育の実際 品川区内の小中一貫校を定期的に訪問しながら,1)交流活動,2)学校行事・集会,3)授業場面について,カリキュラムおよび実践の記録を収集した。1)交流活動については,中学生と小学生とが交流するB&Sとよばれる活動や,交流給食においてどのような関わりがあるかを観察した。2)学校行事・集会については,「新入生を迎える会」「文化祭」「一〇(イチマル)式」といった行事や集会について,小中一貫校独自の内容や交流があるかといった点を中心に観察した。3)授業場面については,これまで中学校で教えてきた教師が5・6年生を担当する授業について録画し授業記録を作成するとともに,市民科等の研究授業についても授業を参観した。
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