本研究の成果は以下の3点に集約される。第一に、イギリスの学校評価機関であるOFSTEDでは当初組織内での評価制度に対する研究の蓄積が行われ、その後2000年代を通じて評価者の研修や学校評価報告書の内容の検証、および2003年以降の制度改革を通じて、間接的にメタ評価が実行されている。第二に、イギリスでは高等教育機関の制度改革全体を通じて、「質保証」(Quality Assurance)制度の導入・徹底が実施され、その一環としてメタ評価の制度化が特にキャリア教育に関する諸側面で志向されている。第三に、比較対象としての日本国内でも、文部科学省による学校評価ガイドラインの公表を契機に学校評価における自己評価の側面が改めて重視されており、この自己評価を中核として、その「評価を評価」するものとして学校関係者評価や第三者評価を位置づけることができることを、埼玉県立学校評価制度を事例に検証した。
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