研究課題/領域番号 |
19530727
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研究機関 | 鎌倉女子大学 |
研究代表者 |
小泉 裕子 鎌倉女子大学, 児童学部, 准教授 (80310465)
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研究分担者 |
高垣 マユミ 鎌倉女子大学, 児童学部, 教授 (50350567)
内藤 知美 鎌倉女子大学, 児童学部, 准教授 (10308330)
鈴木 樹 鎌倉女子大学, 児童学部, 准教授 (00410027)
冨田 久枝 鎌倉女子大学, 児童学部, 准教授 (90352658)
松田 広則 鎌倉女子大学, 児童学部, 准教授 (40352512)
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キーワード | 幼保小連携 / アーティキュレーション・サポート・システム / 授業観・保育観のリフレクション / 接続期教育 / 学生ボランティアのファシリテイター的役割 / 連携カリキュラム / 合同カンファレンス / 大学教師のファシリテイター的役割 |
研究概要 |
本研究は、就学前教育から小学校へ移行する接続期をとりあげ、「子どもの学びと発達の連続性を育む」ための人的ネットワークを構成し、接続期教育の実態を把握すると共に、良好な人的ネットワークが子どもに及ぼす効果を検証、環境改善するアクション・リサーチである。19年度は、Articulation Support System(AS)のあり方について検討した。接続期の子どもの学びと発達の連続性を支えるための人的環境の在り方として、学生ボランティアと大学教師(研究者)が、それぞれ独自の役割を担いながら、接続期の教育内容と方法のあり方をサポートする取組みを行った。学生ボランティアは、教師の授業・保育方法を参与観察しながら、教師らのビデオを撮影し双方の教育内容と方法に関する自省環境をサポートする役割である。大学教師は、教師の授業・保育を観察しながら、オン・ゴーイング記録をとり、当該教師らとリフレクション・カンファレンスを開催、こどもの発達の連続性を支える教師のあり方をテーマに、それぞれの教育方法や内容の変容を明らかにしていくこととした。これは平成21年3月末まで実施される。 本年度は、研究の基礎的資料として、幼小連携の背景について歴史的考察を行った。平成元年の幼稚園教育要領改定では、幼児教育の内容や方法に大きな転換期が訪れ、幼小の連続性や繋がりの視点が全面に現れなくなるのが特徴である。このとき幼児教育の独自性を強調した結果、その後問題となる小1プロブレム現象が表出する原因となったと推察できた。本年度は、幼小連携が重視される背景を確認した結果、幼稚園の教員の保育内容と方法への戸惑いが契機となり、幼児教育自体が混乱に陥った背景を鑑みると、これからの幼稚園教諭には、幼児教育の意義や役割を適切に理解した上で、その独自性を明らかにすると共に、その意義等を小学校や保護者に伝承しうる専門性を身につけることが重要であることがわかった。次年度は、幼小連携にふさわしい保育者や教師のあり方を検討するべく、本研究独自のASシステムを構成し、アクション・リサーチを進めながら、検証していく。
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