研究概要 |
2009年度は、(1)保育者Cとのアクション・リサーチと(2)神奈川県全域の私立幼稚園対象のアンケート調査を行った。 (1)保育者Cとのアクション・リサーチ(AR)の概要 保育者Cは、本研究3人目の事例となる。22年の教育実績を有し、幼児教育の実践に熟知しているベテラン教師である。Cは、「連携推進のモチベーション」は既に獲得している状況にあるが、小学校との連携方法や内容に確信が持てず不安を抱えている現状にあった。昨年度の本研究成果に賛同し、C自身が当事者になりA・S・S介入による共同生成的アクション・リサーチを行っていった。保育者Cはリフレクションをする際の「語り」の中で次の2つのGR((1)保育GRは園全体のGRとして位置き、実践上の個人的信念となっている。(2)年長独自の発達を考慮し、「遊び」「自覚」「グループ活動」の柱を持つ。)を明らかにしていった。また、Cの幼小連携を見据えた自己課題は2つ((1)保育者は・人・人のドラマを客観的に把握し視野を広げることが重要である。(2)幼児教育の特徴は、子どもの長期的発達観を持ち、見通しを持った教育であり、このことを小学校と共有していきたい。)明らかにされていった。 (2)神奈川県全域の私立幼稚園対象のアンケート調査 神奈川県全域295の幼稚園(回収率49.6%)を対象とした結果が得られた。結果の概要として、連携の実施状況では、79%の園で「園児が小学生と交流をしている」、74,2%の園で「園児が小学校の尾様子を体験している」という結果であった。小学校との連携を実施する園内の職員間で、意識差が確認され、幼小連携を推進する際には園内でも充分なコンセンサスをとる必要があることが示唆された。
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