• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

幼児教育における保育内容の再構造化:学校教育を貫く3つの軸から

研究課題

研究課題/領域番号 19530728
研究機関白梅学園大学

研究代表者

無藤 隆  白梅学園大学, 子ども学部, 教授 (40111562)

キーワード幼児教育 / 保育内容 / 協同的な遊び / 学習の芽生え / 自己制御
研究概要

本研究では、幼稚園の二つのクラス(3歳児段階では1クラス)について、週に1回ないし2回、3歳から5歳までの3年間の縦断的な観察を行い、その記録を分析することを中心として、また各々の分担者がそのフィールドで行った観察を元に検討している。本年度は観察の補足を進めることと共に、3年間の記録を全体として見直した。幼児教育を貫く3つの軸として「協同的な学び」や自己制御・学習の芽生えを取り上げ、最終的に、それらの中核にある基礎的な過程として「目的を志向する傾向」の成立として位置づけた。
そこから次のことを見いだした。子どもは3歳から様々な活動を通して少しずつ目的を意識して行動するようになっていく。構成遊び(積み木遊び等)、ごっこ遊び、製作活動、クラスのグループの話し合い活動などを観察した。そこから、計画を立てること、役割分担、目標志向、意志決定などの働きが実際のものを操作し、子ども同士が刺激し合い、また保育者が助言や手伝いをする中で、実際の活動展開の中で生成されていく。さらに、それらの集約的な活動として、年長児の秋において、「協同的な学び」の活動が行われたところを克明に分析した。そこでは例えば、お化け屋敷を作り、園の「祭り」で発表する活動がなされていた。そこでは、大きな目的として保育者による祭りということへの提示はあったものの、何をどう作るかは子どもたちの話し合いに委ねられ、子どもが分担をしつつ、各グループで果たすべき役割やそこでの作業を具体化し、またその具体化されたものを伝え合うところで、全体の方向性が定まってくるダイナミックな関係が観察された。
この目的志向性を中心として、学びの芽生えが小学校に向けての基礎となすのだと考察した。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (5件)

  • [雑誌論文] 幼稚園から小学校への移行期における教師の対応の変容2010

    • 著者名/発表者名
      久田知佳・掘越紀香
    • 雑誌名

      大分大学教育実践総合センター紀要 26

      ページ: 21-38

  • [雑誌論文] 幼稚園5歳児クラスにおける協同的な活動の分析:保育者の支援を中心に2009

    • 著者名/発表者名
      齋藤久美子・無藤隆
    • 雑誌名

      湘北紀要 30

      ページ: 1-13

  • [雑誌論文] 保育者の語りにみる実践知-「片付け場面」の映像に対する語りの内容分析-2009

    • 著者名/発表者名
      砂上史子・秋田喜代美・箕輪潤子・安見克夫
    • 雑誌名

      保育学研究 47(2)

      ページ: 70-81

    • 査読あり
  • [学会発表] 幼小移行期における保護者の意識(2)2010

    • 著者名/発表者名
      掘越紀香・久田知佳
    • 学会等名
      日本発達心理学会第21回大会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      2010-03-27
  • [学会発表] 保育所と小学校の連携に関する研究:連携内容と保育者の意識の関連から2009

    • 著者名/発表者名
      堀田正央、松嵜洋子、無藤隆、佐久間路子、齋藤久美子、福田きよみ、師岡章
    • 学会等名
      第19回日本乳幼児教育学会
    • 発表場所
      川村学園女子大学
    • 年月日
      2009-11-15
  • [学会発表] 幼小移行期における知的行動2009

    • 著者名/発表者名
      掘越紀香
    • 学会等名
      日本保育学会第62回大会
    • 発表場所
      千葉大学
    • 年月日
      2009-05-16
  • [図書] 幼児教育の原則-保育内容を徹底的に考える-2009

    • 著者名/発表者名
      無藤隆
    • 総ページ数
      202
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
  • [図書] 最新保育講座(8)保育内容「人間関係」森上史朗・小林紀子・渡辺英則(編)担当部分:第2章 乳幼児期における人とのかかわりの発達(19-36)2009

    • 著者名/発表者名
      砂上史子
    • 総ページ数
      172
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
  • [図書] 保育内容領域「言葉」-言葉の育ちと広がりを求めて-秋田喜代美・中坪史典・砂上史子(編)担当部分:第3章自分の体験や考え、気持ちを言葉で表現する(47-57)2009

    • 著者名/発表者名
      砂上史子
    • 総ページ数
      166
    • 出版者
      みらい
  • [図書] 平成20年改訂 幼稚園教育要領の解説 小田豊・神長美津子(編著)担当部分:Q20「したり,見たり,聞いたり,感じたり,考えたりなどしたことを自分の言葉で表現する」ためには,どのような指導が必要でしょうか./Q21言葉による伝え合いができるようになるためには,どのような指導をしたらよいでしょうか。特に,小学校入学前に配慮することはどんなことですか(82-87)2009

    • 著者名/発表者名
      砂上史子
    • 総ページ数
      220
    • 出版者
      ぎょうせい
  • [図書] 幼児の教育 最初の観察記録から/三歳児の汽車遊びに見る、人とのかかわりの育ち/三歳児のごっこ遊びにおける場づくりの援助/あの子の隣に座りたい/フタ転がし遊びでの子どもの経験(隔月連載「観察のまど 子どものにわ」108(1),(3),(7),(9),(11)(34-35,34-35,30-31,30-31)2009

    • 著者名/発表者名
      砂上史子
    • 総ページ数
      (どの号も63)
    • 出版者
      フレーベル館

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi