平成19年度は、新たな3年間の科学研究費補助金による研究の初年度となり、平成16年度から3年間の研究と同様、研究代表者・吉良直、分担者・北野秋男、協力者・和賀崇が「アメリカTA制度研究会」を組織して活動を継続した。6月末に筑波大学で開催された日本比較教育学会では、吉良と北野が「アメリカの若手教育者・研究者養成制度の現状と課題」と題してこれまでの研究成果の一部を発表した。 9月初旬には、吉良と和賀が10日間の日程でアメリカの中西部の大学を訪問した。訪問校は具体的には、オハイオ州コロンバス市のオハイオ州立大学とミシガン州アナーバーのミシガン大学の2校で、教授開発センターのスタッフからTAに対する訓練・養成制度に関して説明を受け、参考資料を収集し、さらに学問分野別の訓練プログラムについても担当者の説明を聞き、可能な場合は訓練プログラムを参観させてもらい情報を収集した。今回は、初めて中西部の大学を訪問でき、さらに学問分野別の訓練に関してこれまで以上に情報を収集することができたことが大きな収穫であった。 9月中旬には名古屋大学の高等教育研究センター主催のセミナーで、吉良が「アメリカの大学のTA制度と訓練・養成制度の現状と課題」と題して発表した。10月末には吉良が、ペンシルバニア州ピッツバーグ市で開催された全米のFD学会であるPODに参加し、様々な発表を聞き情報収集し、過去に訪問したセンターのスタッフなどと再会し有意義な意見交換の機会を持つことができた。3月には、吉良と北野が、京都大学で開催された大学教育研究フォーラムに参加し、これまでの研究成果の一部を発表した。今後も情報収集と分析を継続しつつ、研究成果を日米の学会等で発表していく所存である。
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