1.犬山市における学校建設実践とその調査・分析 平成19年3月に竣工した、犬山市立城東小学校、同犬山西小学校の木造増築校舎の計画と建設の過程について、その後の使われ方も含めた実践を整理・分析した。 同校舎の構想上の特徴としては、少人数学級・少人数指導のためのサブ教室、収納・掲示に配慮した教室まわり、各学校独自の学習方法を支援する共有スペースなどがある。施設計画の策定においては、教員から現状の問題点の提出を受け、共同の学習・研究によって新しいプランを策定するというプロセスを経た。教員の協力体制の構築は、よりよいプランづくりのカギであった。交流スペースの利用においては、各学校の独自性が見られるところであり、図書館のような使い方は有効と考えられた。その利用は、継続的な課題でもある。なお、以上の内容は日本教育経営学会紀要に投稿し、掲載が内定している。 一方、犬山市における新しい小学校の建設に関しては、学校公開日に併せた説明会において、建設に関する進行状況について、市担当者の報告を補って専門的解説を若干行った。市の事情により、事業の予算が凍結されたため、その件について今年度は十分な活動ができなかったが、次年度においては、急速に計画策定に取り組むことになる。 2.フィンランドにおける学校施設調査 教育の達成が注目されているフィンランドにおいて、ヘルシンキ周辺の特徴的な学校施設の調査を行った。手厚い個別指導体制のために小さなスペースを利用するなど、学習スペースの有効な構成と利用についての情報が得られた。この調査の報告については、学校施設関連雑誌において発表する方向で打ち合わせ中である。
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