1.犬山市における学校建設 今年度は、犬山市における学校建設の活動が大きく進展した。犬山市においては、改築予定の学校について、犬山市立羽黒小学校改築工事基本設計者選定委員会と、本研究者および連携研究者を構成員とする犬山市立羽黒小学校改築基本構想研究委員会(以下、研究委員会)を組織し、年度末までに、羽黒小学校の改築基本構想を策定した。 今年度の学校改築に関する研究委員会による具体的な実践活動としては、いなべ市立石榑小学校、南越前町立今庄小学校を犬山市関係者で見学し、学校・地域関係者によるワークショップを実施した。よりよいプランを策定する過程で、関係者の意見が二転三転したが、これを専門的な視野から調整し、話し合いの中で教育・学習と地域活動に資する改築プランが練り上げられた。これを「犬山市立羽黒小学校改築基本構想」にまとめた。 研究委員会の来年度の仕事の中心は、(1)基本構想を基礎としてのプロポーザル要項の作成および業者選定に関する専門的知見からの意見提示、(2)犬山市「学びの学校建築検討委員会」に戻って、犬山市全体の小中学校の学校施設整備計画を練ることにある。 2.海外学校施設事例調査 今年度は、スイスにおける学校施設事例を調査した。スイスは、世界的にもすぐれた建築物を多く有しており、学校における近年の挑戦的な事例を中心に調査した。外部コンクリート・内部木装というつくりや、遮光や断熱などの点で内部環境を高いレベルに保つ構造上の工夫、教室内の快適かつ利便性の高いつくり、少人数指導用に整備された教室などが特徴的であった。
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