昨年度は、専門学校教育と卒業生のキャリア関係を卒業生の視点から明らかにしたが、本年度は、企業の視点から明らかにするために、以下の作業を実施した。 (1)まず、昨年度に実施した卒業生調査の結果について、分析・考察を行い研究報告書として出版した。具体的には、高校までに獲得できていない学習習慣等のしつけ機能を果たしていること、専攻や卒業後の年数によって初期キャリアは異なり、特に仕事内容が専門学校教育の評価を左右していること、専門学校の職業教育機能自体については必ずしも明確でないこと、を明らかにした。 (2)ただし以上は卒業生からみた専門学校教育であり、その知見を相対化するために、卒業生の採用企業調査を実施するため、東京都専修学校・各種学校協会に協力を仰ぎ、加盟校の中から14の専門学校から協力を得られることになり、調査票の設計や発送・回収作業に至るまで、協同して作業を行った。そして2008年11月から2008年12月にかけて、専門学校卒業生を採用している企業に対して郵送調査を実施し、最終的に863の企業から回答を得た(回収率は31%) (4)現在、データの入力が終わり、調査結果の概要版を印刷し終わった段階である。来年度早々に、協力企業ヘフィードバックを行い、また協力校の方達とデータ分析会を実施し、研究報告書としてまとめる予定でいる。なお来年度は、企業調査の分析作業を行って報告書にまとめるだけでなく、卒業生調査の結里と総合して、3年間のプロジェクトの総まとめを併せて行う予定でいる。
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