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2008 年度 実績報告書

ニューカマーの子どもの不就学に関する研究-義務教育段階のシステム改善に向けて-

研究課題

研究課題/領域番号 19530759
研究機関東京理科大学

研究代表者

清水 睦美  東京理科大学, 理工学部, 准教授 (70349827)

キーワードニューカマー / 学校 / 当事者 / 国際教室 / 不就学 / 地域 / 教育学
研究概要

本研究では,1970年代末から長期滞在する外国人,いわゆるニューカマーに関わる教育問題において,今日最も注月されている「不就学」の問題において,その実態が少数に止められている地域-神奈川県大和市-で,そのよりな実態が生み出されている背景を探ることを目的とした。
最終年度にあたる本年度は,次の2点に関わっての結論を得た。
第1に,当該地域で活動する外国人青少年の当事者団体「すたんどばいみー」の歴史を追うことで,地域の外国人青少年の当事者意識の変遷を明らかにすることを通して,「不就学」の実態を少数に導く過程を明らかにした。その際に,母国での不就学経験が,日本の不登校や不就学に与える影響を検討するため,不就学(中国)と不登校(日本)の両経験をもつ中国人の子どもの中国での経験を明らかにする現地調査を補足的に行った。
第2に,昨年度実施した「国際教室」のインタビューを分析し,当該地域固有の歴史的文脈として,1980年代のインド難民受入のインパクトを明らかにした。しかし,そうした状況のもとでも,外国人児童生徒の受け入れ方法に,学校ごとにばらつきがあることを確認し,それは課題意識,職務の選択,外国人児童生徒の滞在期間という資源の編成による差であることを明らかにした。さらに,こうした状況は,滞在の「永続性」を前提としつつも,進学に焦点化した指導の組織化に向かい,マイノリティーマジョリティ間の権力関係を隠蔽するソフトな同化主義に落ち着く可能性もあれば,学習をめぐる権力関係への気づきから,マイノリティのエンパワーメントに向かう可能性もあり,両方向の可能性が示唆され,「不就学」を小数に止めるためには,不断の実践の問い直しが必要であることが結論として得られた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 学校内部の権力関係の再構築過程-研究者によるフィールドワークは, ニューカマーの子どもたちの周辺に何を生み出したのか-2009

    • 著者名/発表者名
      清水睦美
    • 雑誌名

      異文化間教育 30

      ページ: 42-53

  • [雑誌論文] 「当事者になっていく」ということ(後編)2009

    • 著者名/発表者名
      清水睦美, 児島明, 家上幸子
    • 雑誌名

      東京理科大学紀要(教養編) 41

      ページ: 249-266

    • 査読あり
  • [学会発表] ニューカマー児童生徒の就学を支える要因-国際教室をめぐる資源の編み直しに注目して2008

    • 著者名/発表者名
      家上幸子, 角替弘規, 児島明, 清水睦
    • 学会等名
      日本教育社会学会
    • 発表場所
      上越教育大学
    • 年月日
      2008-09-19

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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