研究課題/領域番号 |
19530769
|
研究機関 | プール学院大学 |
研究代表者 |
中島 智子 プール学院大学, 国際文化学部, 教授 (80227793)
|
研究分担者 |
野入 直美 琉球大学, 法文学部, 准教授 (90264465)
倉石 一郎 東京外国語大学, 大学院・総合国際研究科, 准教授 (10345316)
矢野 泉 横浜国立大学, 教育人間科学部, 准教授 (00276867)
渋谷 真樹 奈良教育大学, 教育学部, 准教授 (80324953)
徳井 厚子 信州大学, 教育学部, 准教授 (40225751)
|
キーワード | 異文化間教育研究 / インタビュー調査 / 相互性 / 作品化 / 調査倫理 |
研究概要 |
本研究は、異文化間教育研究において「異」が立ち上がり、被調査者との相互行為を経て揺れ動いていく動的な<「異」の成り立ち>のプロセスとして、インタビュー調査を分析の俎上に載せることを目的とした。3年目に当たる今年度は、研究を完成させ、成果のまとめをおこなった。 成果として、まず、異文化間教育研究におけるインタビュー法の位置づけとして、「接触」からアクティブな他者との「出会い」へと認識上の転回が必要なことが明らかにされた。この転回に基き、もしくは挑戦する研究として、インタビューという手法を意識化してデータを読み取り、作品化を行った。その結果、1.追跡調査による作品化、2.モデルストーリーの功罪の分析、3.インタビュー言語が複数でスィッチングされながら行われる場合の理由と影響、4.教育実践の語りをライフストーリーに位置づけて読み取る試み、5.インタビュアとインタビュイの作品化の協働、という視点からアプローチできることがわかった。また、調査倫理上の問題として、インタビュー調査に欠かせない音声・映像機器の持ち込みやその利用法についても検討した。 以上の研究の結果、インタビューにおける相互性構築過程を意識化したインタビューの実施やデータの読み取り、再解釈を丹念に行うことによって、通常では見落としてしまう語り手の意図や語りの構造、解釈時の重要ポイントがみえ、より豊かな作品化を行うことができることの確証を得た。
|