研究課題
平成19年度の研究実施計画は、「教員養成大学学生が子どもたちと触れあうことのできる総合的音楽表現作品の開発」のための、題材探しと台本作成が中心となった。北海道に伝わる和人の昔話は、非常に少ないが、アイヌの間には、多くの話が伝えられている。しかし、ユーカラなどは長大且つ叙事的であり、音楽劇としてドラマ性を追求した場合には、アイヌ民話などは大変短かくドラマになりにくいものが多い。ドラマとして成立する民話を探すために、相当数の文献を参考とした。その中で、知里真志保が採集により残した「金の子犬・銀の子犬」は、アイヌの自然観、宗教観あるいは道徳観などを小学生に伝えることができ、さらにコミカルな喜劇にも仕立てることが可能である民潭話であると判断し台本化した。現在は作曲の段階に入ているが、その間、作曲と劇の構成上から台本には多くの変更箇所が出てくることが予想されるため、台本の公表などは行っていない。(CDのみ)さらに、今年度は21年度の公演に向け、美術、技術、家庭などの学生の連携により、大道具、小道具、衣装づくりについて具体化してゆくが、その場合の他専攻とのカリキュラムの連携についても新カリキュラムの側面からの考察を行ってゆく。