本研究は、以下の五点を目的としている。 (1)PISA「読解力」の問題の分析・検討を行い、それに対応しつつ乗り超える「文章吟味力」を核とした読解力に関する小学校→中学校→高等学校の教科内容を系統性に解明する。 (2)上記の読解力を子どもたちに身につけさせるための教育方法について解明する。 (3)上記(1)(2)にもとづき「文章吟味力」を核とした読解力を記述力に発展させていくための教育方法について解明する。 (4)「文章吟味力」を応用しつつメディア・リテラシー教育の教科内客と授業方法について解明する。平成19年度、上記の(1)(2)中の小学校〜中学校について、解明を進めた。 1.PISA「読解力」の2000年・2003年の問題(公表分のみ)について、お茶の水女子大学大学院COE国語学力検査問題および全国学力・学習調査国語問題と比較しつつ分析・検討を行った。また、それらの調査結果について、分析・検討を行った。三つの調査問題およびその結果に関する多くの共通点が見出された。 2.それを前提に、「文章吟味力」を核とした小学校高学年〜中学校の読解力の教科内容案を作成した。一部未完成な部分はあるが、九割程度完成している。特に説明的文章の「読むこと」に関する教科内容を中心としている。」 3.それと平行して、その教科内容を子どもたちに身に付けさせるための教材選択、指導方法について、解明を進めた。そして、実際に大阪府、千葉県、茨城県、秋田県等の小学校・中学校で、文章吟味に関する授業を実践してもらった。その授業の分析・検討を現在進めている。 その授業の中には、(3)の「読解力を記述力に発展させていく」指導も含まれている。 4.これらの研究成果は、複数の学会誌に発表している。
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