研究概要 |
IEAの国際数学・理科教育調査やPISA調査では,他国に比べ日本の学生は,理科学習を通して,現実の社会や生活への理解を深めたり,将来の生き方への関心を高めていない。そこで,理科教育におけるキャリア教育のあり方を研究した。平成19年度は,「理科学習の延長線上にあるキャリア理解」のために,社会人講師を活用した効果的な学習のあり方を研究した。 先行実践成果として,職業観・勤労観の理解をあげることができた。しかし課題として,学習者と社会人講師のそれぞれの文脈のずれがある。具体的には,社会人講師の話す専門的な職業の知識を生徒が十分に理解できないこと,社会人講師としても学習内容や生徒の実態が理解できないことに不安感を持っていることがある。そこで,社会人講師に対し以下を行った。(1)社会人講師に,事前に生徒の描いた学習内容の概念地図を渡し閲覧する。(2)職業に関連する知識を,生徒の概念地図上に付加する。(3)付加した概念地図をもとに授業展開を立案する。(4)担当教師の負担軽減のため遠隔地教育システムを導入する。社会人講師へのインタビューから授業に対する不安の軽減が見とれた。 今後の課題として,教科用図書のコラムの記載方法やその活用に関する調査を行う必要がある。
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