研究概要 |
平成19年度前半期(4月〜8月)は,研究代表者が中心となり,予備調査としてのフィールドワークを近隣の中学校において行った。また,これと同時に,他のメンバーは,教室研究分野を中心として,数学科問題解決授業における集団の学習過程に関する先行研究と問題解決研究分野を中心として,個の学習過程に関する先行研究を整理する活動を行った。 平成19年度後半期(9月〜3月)は,教授実験Iの計画し,実施した。教授実験Iは,研究協力校(上越教育大学附属中学校)の2年生1クラスを対象として,確率の単元において, ・前半(授業(1)):1月29日(火)〜2月18日(月)の期間に7時間, ・後半(授業(2)):3月14日(金)〜3月21日(金)の期間に3時間 の合計10時間行った。授業の様子は4台のビデオカメラで記録した。授業者の活動(集団の学習過程)を中心に記録するために教室側面に1台,また,個々の生徒たちの活動の様子,より具体的には,3組の抽出生徒を中心とした活動の様子(個の学習過程)を記録するために3台のビデオカメラを設置して記録した。 前半(授業(1))と後半(授業(2))の間に,研究組織のメンバー全員が上越に集まり,前半(授業(1))の授業授業について,また,平成17年度18年度に「教員養成GP」の1つのプロジェクト「確率概念の活動的・体験的理解を図る教授単元の臨床的開発研究」として実践され,記録された授業ビデオの主要場面を視聴ながら,問題解決研究の「振り返り活動」を取り入れた授業デザインについて集中的に議論した。後半(授業(2))の中で同じ問題解決課題を扱い比較することを意図していた。これによって,本研究の目的である,問題解決過程の質が個の学習過程に与える影響を調べるためである。 本年度は,これらのデータの収集と整理までを行った。これらを必要に応じて文書化し,質的な違いを分析することが来年度の最初の作業となる予定である。
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