研究概要 |
平成20年度前半期(4月〜8月)は,研究代表者が中心となり,教授実験IIを計画し,実施した。 教授実験Iは,研究協力校(上越教育大学附属中学校)の1年生1クラスを対象として,正負の数の乗除法の単元において,平成20年5月13日(火)〜6月4日(水)の期間に8時間,行った。授業の様子は4台のビデオカメラで記録した。授業者の活動(集団の学習過程)を中心に記録するために教室側面に1台,また,個々の生徒たちの活動の様子,より具体的には,3組の抽出生徒を中心とした活動の様子(個の学習過程)を記録するために3台のビデオカメラを設置して記録した。また、個々の生徒の学習の様子を適宜評価するために、授業の始まりの5分と終了前の5分で自己評価表を記入させた。 平成20年度後期(9月〜3月)は、平成19年度に収集し整理してきた教授実験Iのデータを文書化するとともに,授業の主要場面を中心に構造化を行った。同時に、教授実験IIのデータの整理及び文書化も行った。 平成21年3月9日には、岩崎、山田、清水が福岡の都久志会館に集まり、教授実験Iの構造化されたデータを基に、分析の対象と方法について検討を行った。そこでは,「循環性」という概念が授業における集団の相互作用(解決過程)の質を特徴づける視座となりうることが明らかとなってきた。この「循環性」が実現されていると思われる教授実験Iの授業における集団の解決過程とこの学習過程(生徒ペアの活動)との間の関係を調べていくことを年度の課題とした。
|