平成20年度は、3年計画の研究2年目の中間報告書として『総合表現活動の理論と実践』の発刊を実現させたことが最大の成果であった。(ISBN 978-4-87788-402-4教育芸術社 2009年3月)編著者は研究代表者の時得紀子、理論編の執筆者は本研究の連携研究者である、無籐隆(白梅学園大学)、田中博之(早稲田大学大学院)、近藤フヂエ(新潟大学)、小林田鶴子(名古屋女子大学)等が担当した。実践編としては、本研究が研究対象としている、上越教育大学附属中学校、大阪教育大学附属池田中学校、上越市立大手町小学校、東京学芸大学附属大泉小学校を始めとする、研究先進校の12校の事例を全国から抽出し掲載した。本書を小・中学校の教育現場の先生方および、教員養成大学の学生に向けて、全国レヴェルで発信できた意義は大きい。 その他2冊の共著への執筆においても、本研究成果の一部を掲載した。国内の学会発表では、日米両国の総合表現型のカリキュラム開発とその評価の成果をまとめ、日本保育学会(5月)、日本学校音楽教育実践学会(8月)、日本音楽教育学会(11月)の3つの学会における口頭発表を行った。 投稿論文では、上越教育大学研究紀要第27巻(2月)上越教育大学実践研究紀要第19巻(3月)等への掲載が実現した。 国際レヴェルの成果では、音楽教育で最も権威ある国際学会(ISME)への投稿を経て、平成20年7月にイタリア・ボローニャで開催された、ISME(International Society for Music Education)世界大会で、レフリー審査を経ての招待発表として正式に採択され、20分間の口頭発表を行った(7月)。同世界大会のローマにおける教師教育部門大会でも口頭発表を行った(7月)。 さらにISME(国際音楽教育協会)2008年度同世界大会論文集、およびCD-ROMへの掲載にも日本人発表者の中で唯一、本研究のみが採択された(3月)ことも、この独創的な研究開発に対して世界レヴェルで高い評価が寄せられたものと受け止めている。本研究の成果が学会誌にも掲載されたことで、国際レヴェルの研究開発に果たした意義は極めて大きいと捉える。
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