研究概要 |
(1) 日本の基層文化に関する先行研究を通覧し、その論点を(1) 自然との調和,(2) 他律性,(3) 言外の理解,(4) 精神修養,(5) 余韻の愛好とし, 全体に通底する基層文化概念を定位した。 (2) 学習指導要領の改善に関する研究協力者として、研究代表者の藤森は「言語文化」の定義にかかわると共に、「現代文A」「古典A」の記述内容と解説の作成・検討を担当し、本研究で得られた知見をそれらの指導内容・指導事項に反映させた。 (3) 小学校・中学校「国語」教科書及び高等学校「国語総合」教科書における日本の基層文化概念に関する語彙・記述・論述内容を網羅し、データベース化して学会関係者に無償配布をした。これによって、新教育課程における[伝統的な言語文化]の取り扱いへの具体的な資料が整った。 (4) 学会発表を行い、本研究の成果を公開するとともに、これらの学会誌に複数の査読付き論文を含む学術論文を発表した。査読付き論文はすべて採択されている。 (5) アメリカ合衆国ジョージア州アトランタで開催された第53回国際読書学会 において165分のシンポジウムを開催し、シンポジストとして"Literacy as Folk Culture"と題する発表を行い、高い評価を得た。 (6) 本研究の成果に基づいて複数の著書を発行し、国語科実践研究の進展に寄与した。
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