本研究の目的は、情報読解力を育成するための社会科授業のあり方を理論的原理的に考察するとともに、具体的実際的に解明するために主に次のような手順で研究を進めた。 (1)わが国における情報読解力の育成に関わる事例を収集する。 (2)収集した実践事例は、授業関連リソースの整理・編集を行い、分析対象の事例を選択する。 (3)構成主義的アプローチの援用により分類しそれぞれの構成原理を解明する。 (4)分析して解明した構成原理に基づいて、モデルとなる社会科授業を開発する。 (5)開発したモデル授業を現場で実践し、実証的な研究にする。 情報読解力を育成する社会科授業の新しい形態を社会科教育の体系に組み込むための授業構造を解明し、その具体的な16事例の授業モデル開発を行った。本研究の重要性は、情報読解力の育成の視点から日本で行われている授業を捉え直し、新たな枠組みによって、類型化し、授業を説明する点である。その際、構成主義的アプローチの理論を援用して分析のフレームワークを構築した上で、情報読解力を視点にして、学習者の認識内容の質的変容と主体的関与を保障するために開発したウェッビング法による授業開発を継続して取り組んでいる。この情報読解力と社会科授業を結びつけた採業を究明し、開発できたことで、今後の社会科教育研究を発展させる基盤を形成することになると確信している。
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