学校教育においてスタートしたばかりの食育について、発達段階に沿った系統的・体系的な食育プログラムの構築と、食育に直接関連する教科である家庭科の独自性と両者の連携のあり方の検討という緊急課題への提案をするために、2008年度は次に示すような内容で研究を行った。 1.発達段階に沿った系統的・体系的な食育プログラムを作成した。 2.家庭科の独自性と栄養教諭との連携のあり方への提案を行った。 3.実現可能な体系的・系統的な食農教育カリキュラムを作成した。 4.作成した食農教育のカリキュラム提案に関して、小中学校における実践検証を行った。 効果的な食育には、食物を工業製品として扱うのではなく、地域の視点から地球規模で食物をとらえ、栽培過程から食べるまでを見通すことが必要である。家庭科の教科内容が社会からの要請を必ずしも反映しているとはいえない要因は、教育職員免許法で規定されている学習科目内容の柔軟さに欠ける内容展開にも由来する。食育を指導する立場の人材養成も含めて社会的要請の視点からも点検する必要があった。あわせて、地球規模的な今日的課題である、食料配分の不均衡問題・食糧問題と環境問題・食糧問題と資源エネルギー問題の総合的解決への考え方を仮説実験授業方式の授業展開で取り上げる試みを行っている。
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