研究概要 |
本研究は、児童生徒の合唱の能力を高めるための指導法開発である。19年度は、<コダーイシステム>と合唱活動との関連性を探るため、11月に、ハンガリーの保育園、小学校、中学校、市民合唱団、教育大学の視察、また、フィンランドのヘルシンキ音楽院を訪問、合唱授業およびヘルシンキ男声合唱団のリハーサルに参加した。このコダーイシステムについては、私が2003年から2004年にかけて、在外研究員として研修した米国インディアナ大学での合唱授業および小中学校での音楽授業視察により、このシステムが合唱教育に有効に働いているのではないかと体験を通して感じたことに発する。欧米の音楽教育の現状を視察し、合唱教育とこのシステムの関わりが明らかにされることによって、21世紀の日本の合唱への指導法を模索したいと考えた。さらに、19年度は、日本国内で素晴らしい演奏実績をあげている西宮少年合唱団、群馬教育大学附属中学校、宮城県第三女子高等学校の視察を3月に行い、本研究の最終目的である「日本の合唱教育の今後の方向性や新たな指導法」についても研究を行った。19年度の外国出張での調査は、本研究の目的「1)コダーイ・システムによる指導法と発声との関連性を明らかにする」に対応したものである。コダーイ・システムが合唱の能力育成にどのような関わりを持っているのか、2003年〜2004年在外研究での米国の小中学校及びハンガリー・フィンランドの小中学校の視察を基に、指導法と発声法の研究を進めた。19年度の成果は、蓄積したVTRやMD,授業記録,インタビュー等の分析を行い、20年度に学会発表と論文発表で行う予定である。20年度は、イタリア、ドイツの教育機関視察を予定している。
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