研究概要 |
本研究は,「児童・生徒の合唱能力を高める指導法開発研究」を目的とする。20年度の研究目的と実施状況は以下のとおりである。 1)欧米の学校教育において「発声指導」がどのように行われているのか,あるいは「発声」はどのように扱われているのか,学校教育機関で視察、分析を行なう。→イタリアの学校教育における合唱活動及びヴェルディ音楽院の児童合唱クラス等の視察を行った。また、イタリアにおける合唱の現状や課題点などが視察によって明らかになった。これについては、21年度に論文を発表する予定である。 2)欧米の学校教育における「合唱指導」の実践法分析。→19年度視察したハンガリーのコダーイスクールにおける児童合唱「MIRACULM」の視察を通して得た知見を基に、欧米と日本の合唱指導法や歌唱指導法の相違点などを明らかにし、学校教育における合唱教育の在り方と発声の捉え方について考察した。(学会発表:日本声楽発声学会 論文発表:日本声楽発声学会誌) 3)日本語の歌唱とコダーイ・システムで行っている歌唱の比較検討。→コダーイ・システムの特徴であるノンビブラートの音声やピッチの正確さが、合唱や歌唱には重要であることを視察により認識した。日本語の歌唱との比較については、21年度に行なう予定である。日本語の歌唱研究については、CD及び日本の創作オペラ出演で成果を発表した。(CD発売:日本歌曲集第3集FMC-5053〜54平井秀明作曲オペラ「かぐや姫」主演:2009年3月久世エスパスホール) その他、20年度は、19年度に引き続き、日本の優秀な合唱団の視察を行った。20年度は、きみつ少年少女合唱団、岡崎高等学校合唱コーラス部、岡崎混声合唱団の視察を行った。これらについても、21年度に考察を論文で発表する予定である。
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