研究概要 |
21年度は、この研究の最終年であった。国内外の学校機関の視察や合唱指導者へのインタビューを行い、研究のまとめに向けて検討および考察を行なった。21年度の目的と研究内容は以下のとおりである。 1. 自然で無理のない発声の体系的な指導内容の検討。 1) 米国インディアナ大学の音楽教育研究者,合唱指揮者とコンタクトを取り、インタビューと授業視察および発声法の実践研究を行った。 2) 米国インディアナ大の児童合唱のための合唱指導法の教科書の検討を行った。主に、声のウオーミングアップについて考察を行った。岡山大学研究紀要で発表。 3) 国内の学校教育機関、児童合唱団、大学の合唱団等の視察を積極的に行い、合唱能力を向上させるための指導法を考察、検討を行った。また、19、20年度の研究過程で得た指導「心身のリラックス法を取り入れたウオーミングアップ」の研究についての知見を深めた。 2. 21世紀の合唱や歌唱に求められる指導法等の検討。 1) 19年度、20年度、21年度に行った海外視察・日本国内の学校機関、児童合唱団、大学機関の合唱団等の視察等から合唱指導法を考察し、児童生徒の合唱の基礎能力を育成するための指導法を整理し、21世紀の合唱や歌唱に適応した新しい指導教材を考案、検討を行った。これについては、22年度にまとめる予定である。 2) 歌唱における日本語と外国語のディクションの差異やことばの明瞭化について、ソプラノリサイタルを開催し、研究成果を発表した(2010年3月13日おかやま旧日銀ホール<ルネスホール>)。米国、ハンガリー、フィンランド、イタリア等の海外視察を通して、各国の合唱・歌唱指導法などを整理し、言語の違いによるディクションの相違点と共通点を明確に享受することで,日本語をいかに明瞭に,響かせて,美しい声で歌うかという日本語の発声の課題を追求した。6カ国語の原語による曲目構成による。
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