本研究は、わが国の家庭科の抱える根本問題である「家庭科の本質」とそれを達成するための「カリキュラム編成論」を明らかにするために、1980年代以降、若者の学力低下問題を克服するために行われた米国教育改革の結果、誕生した家庭科のNatonal Standardsと、それに基づいて開発された各州の多様なCurrirulum Standardsの収集と分析を通して、教科としての家庭科を構築するための教科論とそれを具現化するカリキュラム編成論を探求することを目的とする。 研究二年度にあたる平成20年度は、前年度の課題であった米国家庭科Natonal Standards分析と、各州で開発された家庭科のCurrirulum Standardsを調査・収集し、データを整理し、収集・整理した資料から、有効な研究対象を選択するため、家庭科教科論の分類による家庭科カリキュラム編成の類型化を行う予定であった。しかし、11月に交通事故に遭いそのまま年末まで入院となった。また、11月末に教育学部棟改修工事により、研究室が移転し、研究に必要なものは全て段ボールに梱包されたままであり、平成21年1月より仕事復帰をしたが、松葉杖での生活で、立ち仕事ができないため、研究室の整理もできない状況で、研究を遂行することができなくなった。そのため、予定していた研究の繰り越し申請を行い、平成21年度4~8月に継続して研究を行った。 年度当初は、研究が行えるように環境を整備し、各州で開発された家庭科のCurrirulum Standardsを調査・収集と収集した資料の整理を行った。
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