本研究は、わが国の家庭科の抱える根本問題である「家庭科の本質」とそれを達成するための「カリキュラム編成論」を明らかにするため、1980年代以降、若者の学力低下を克服するために行われた米国教育改革の結果、誕生した家庭科のNational Standardsと、それに基づいて開発された各州の多様なCurriculum Standardsの収集と分析を通して、教科としての家庭科を構築するための教科論とそれを具体化るカリキュラム編成論を探求することを目的とするものである。この目的は、申請当初は、4年間の継続研究によって達成する予定であった。しかし、昨年度、申請者が交通事故による入院と学部建物改修工事が重なったため、11月以降、研究を継続することができなかった。そのため、研究の繰り越し請求を行い、本年度は、まず、研究が行えるように環境を整備し、前年度遂行できていない研究のうち、各州で開発されたCurriculum Standardsの収集と整理を8月まで行った。9月以降は、引き続き、各州で開発された家庭科のCurriculum Standards調査・収集を行うと共に、家庭科のNational Standardsの改訂を受け、従来のStandardsの何がどのように改訂されたのかの分析を行った。
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