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本研究の目的は、小山が構築した「数学理解の2軸過程モデル」に基づく数学科授業改善の可能性を実践的研究によって明らかにし、中学校・高等学校の数学科教員養成及び現職教育のあり方と具体的方策に対する示唆を得ることである。そのため、本年度は数学科授業改善の原理と方法の妥当性・有効性を長期間の授業実践を通して検証することを目的として、(1)文献解釈的・理論的研究による2軸過程モデルの具体化、(2)2数学科授業改善の原理と方法の検討、(3)数学科の授業改善案の検討・作成、(4)2軸過程モデルに基づく数学科の授業改善の原理と方法の検証に取り組んだ。その結果、以下のような大きく4つの研究成果が得られた。
(1)数学理解や認識論に関する文献解釈的・理論的研究、中学校・高等学校の数学科カリキュラム分析や教材研究を通して、数学理解の2軸過程モデルを具体化し、中学校・高等学校の数学科授業改善により役立つものにすることができた。
(2)2つの中学校と2つの高等学校における長期間の授業実践、数学科教員の数学教育に対する意識や生徒の数学理解の変容の調査を通して、2軸過程モデルに基づく数学科授業構成の原理と方法が妥当かつ有効であることを、ある程度明らかにすることができた。
(3)2つの中学校と2つの高等学校における長期間の授業実践の分析・検討を踏まえ、各学校の数学科教員と共同して、学校・教員・生徒の実態に即した、数学科の授業改善案を作成することができた。
(4)数学理解の2軸過程モデルに基づく数学科授業改善の原理と方法の妥当性と有効性を検証し、次年度に行う中学校・高等学校の数学科教員の資質向上と生徒の数学理解の深化を評価するための実践的研究の枠組みを構築することができた。
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