世界の道徳教育の新しい潮流が、子ども達を学校教育の場に止まらず、広く地域コミュニティの活動に参画させながら彼らの社会認識を広め、道徳的実践力を涵養させる方向に進んでいる。変容激しい社会変化のなかで儒教的社会規範が薄れてきている中国と日本の子ども達の道徳的社会行動を比較分析すると、子どもの「規範遵守」態度ならびに「礼節関与」姿勢の形成には共通して教師・親・友人などの人間関係の影響力が大きいことが明らかになった。またアメリカでは、子ども達を地域のコミュニティ活動に参画させる教育事業のために多大な国家予算と支援組織を築き上げてきている。これは、子ども達のコミュニティへの実践的参画を促すことが子どもの市民性涵養のための有効な手段との評価に基づいている。
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