・研究代表者は、中等教育における「書くことの教育」の分析に加え、言語操作能力の理論研究および実践研究に取り組んだ。 (1)これまでの日本国内の高等学校公民科の実践を振り返るにあたり、評価問題において教師たちが生徒にどのような記述回答を求めているか東京都を例に調査し、「社会科実践史高等学校公民科」『中高社会科へのアブローチー社会科教師の専門性育成-』を執筆した。 (2)シチズンシップ教育の一つとして中学校の道徳授業にも注目し、新学習指導要領にも対応した感動教材の開発の方法論を考察し、生徒に記述回答を求める具体例を追求し、「新学習指導要領に対応した『道徳教育の研究(道徳の指導法)』の試み〜子どもたちにとって魅力ある道徳の時間の授業づくりを目指して〜」『中央大学教育学論集第51集』を執筆した。 (3)国内の多文化的状況を実地に控握しながら、子どもたちが自文化について、どのように認識を形成するかに注目し、2008年に最高裁判所が判決を下した「国籍法違憲訴訟」の当事者の子どもたちに関する新聞記事・雑誌記事を収集し、「判例評論国籍法違憲訴訟最高裁大法廷判決〜シチズンシップ教育での本判決活用の可能性を視野に入れながら〜」を執筆した。 (4)生命尊重の教育に関連して、高校生の作文の記述分析の方法論を明らかにしながら、「死の教育と公共性の視点」を東洋英和女学院大学死生学研究所で発表した。 ・研究分担者は、これまでのアメリカの学校での参与観察に基づく研究成果を蓄積し、Language Artsそのもののカリキュラムや教育実践について理論研究をさらに推進する。そのためにアメリカの学校での授業観察を継続的に実施した。
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